11月27日、JR千葉支社は久留里線・久留里~上総亀山間を廃線にする方針を発表した。時期については現時点で未定とされているが、土沢支社長は「できるだけ早く」と語っている。
ただただ「廃線ありき」で地域を切り捨てるJRを許すことは、断じてできない!
JRの卑劣なやり方
千葉支社は廃線方針について、「久留里線に関する検討会議の結果を受けて検討した結果」だと語っている。だが、報告書にも書かれた地域住民からの「鉄道を残すべきだ」という多くの声は、まるで無視されている。
そもそもこの検討会議において「廃線などの前提をおかない」と繰り返してきたのはJR自身だ。そう言いながら会議では、「乗客が減っている」「赤字だ」と繰り返してきた。自分たちで日中帯に5時間半も列車がないほどダイヤを削減しておいて、「乗客が少ない」とはあまりにふざけている!
今回の発表で改めて、「廃線ありき」で住民を黙らせるためだけの検討会議だったとハッキリした。JRの卑劣なやり方は絶対に許せない!
「持続可能性に問題」の嘘
また、この区間は「最も採算性が悪い」「100円稼ぐのに1万3580円かかる」と宣伝されている。報告書は、「持続可能性に問題」「公金投入に納税者の理解を得るのは難しい」などと書き連ねた。
JR東がこの区間の赤字額とするのは2億3500万円だが、運輸部門全体では1707億円の黒字(23年度)だ。さらには内部留保を2兆円以上も確保している。どこが「持続可能性に問題がある」のか?
千葉支社は「バス等の交通体系へのモードチェンジが必要」としている。だがバス転換の方が、「持続可能性に問題がある」のが現実だ。
ローカル線が廃線された後にバス転換された例はあるが、結局赤字に地元自治体が耐えられずに数年で廃止になっている。
そもそも、バス路線は全国で、次々に廃止されている。06年から22年の間に廃止になった一般バス路線はJRの全営業㌔をはるかに超える長さだ。
さらに昨年ころからドライバー不足がごまかせないほど深刻になっている。都心部でもドライバーが確保できず、例えば千葉市の団地と駅を結ぶバスが1日10本から1本にされている。一般のバス路線自体が崩壊的な危機にあるのだ。
そんな状態で「バス等へ転換」というのは、「地域を切り捨てる」と言っているに等しいものだ。
分割・民営化の失敗だ!
そもそも地方鉄道が赤字なのは当然だ。世界的に見れば大都市でも黒字の鉄道の方が「例外」であり、道路、空港、港湾なども「赤字」だ。問題の根本は、国鉄分割・民営化で鉄道を金儲けの道具にして、「収益」「株主利益」をすべてに優先させたことだ。
「JR線の約6割が廃線基準」とは結局、分割・民営化が大失敗に終わったということだ。その矛盾を、JRは国と結託して地元にすべて押し付けようとしている。こんなことは絶対に許されない! 地域の仲間とともに、廃線化絶対反対の闘いにたちあがろう。