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6月9日BS-TBS「噂の!東京マガジン」で久留里線廃線問題が取り上げられました。噂の!東京マガジン|BS-TBSBS-TBS「噂の!東京マガジン」の公式サイトです。日曜ひる1時放送。bs.tbs.co.jp
「久留里線を守ろう!」「なくすな!久留里線」のノボリ
久留里線は1912年開業。100年以上、地域の足として親しまれてきました。
久留里線のうち「久留里-亀山」間の9.6kmは一番赤字が多い。
赤字だから廃止というのは誰も納得していない(久留里線と地域を守る会)
JRによると、問題の区間の利用者数は40年間で9割減り、現在は1日あたり55人
利用者減少に加え、エネルギーや人件費の高騰で、営業赤字は年間2億4500万円。JR東日本の中でもワーストの区間だという。
このように大量輸送のメリットを発揮できない状況から
JRは廃線も含めた協議を申し入れた、というのです。
しかし、住民は存続を強く訴えています。
学生さんは
「日曜日も部活があるから、週7で学校に通っている」
上総松岡駅から久留里駅まで、ほぼ毎日通学している。起伏が多い道のため、自転車を使うと1時間以上かかり、毎日通うには、かなり困難。周辺にはバスも走っていない。
電車がなくなるのは困る
上総松岡駅近くに住む80代の女性は
「近くに歯医者がないため、週に一度、30分近くかけ、小櫃駅近くの歯医者に通院している」
旦那さんも高齢のため、子どもさんから自動車運転免許返納を勧められる日々
久留里線がなくなると通院できなくなる、と言います。
「きみぴょん号」は君津市の交通不便解消を目的に2013年から市が運行を開始した予約制の乗り合いタクシー。
ところが、予約がいっぱいで自分が好きな時間に乗れない。予約しないとダメなので、今すぐ乗りたいというわけにはいかない。
地区の人口、およそ1万人に対して、運行している「きみぴょん号」はわずか3台。気軽に利用したくてもできないと言います。
放課後学童保育「かずさっ子クラブ」のみなさん
スクールバスの送迎時間が終わった後の放課後に活動するため、久留里線の利用を前提に、この場所でクラブを始めた。
長男を「かずさっ子クラブ」に預けている女性は、亀山駅に迎えに行けば10分で家に帰れる。車で迎えに行ったら1時間かかるので、母としては助かっています。幼子の面倒を見ながら車で送り迎えするのは困難だと
地区の住民のアンケートでは、5割が「存続希望」4割が「バスなどの代替交通機関でも良い」と答えているが、
自治会長は不安を訴える。
JRと3回協議を行ったが、
「バスでの代替えをしようとしているのではないか、しかし、廃線になった所は、バスになった途端に利用者が激減したそうだ、だから安易にバス代替に決められない」
鉄道がもし廃止になるとその町自体が衰退する。全国の廃線後の地域がみんなそうなんです。
公共交通として残して欲しい
法律改正で「鉄道事業者からの要請があれば国が再構築協議会を設置できる」とされたが、
専門家は「鉄道事業者が協議会の設置を自治体に申し入れる。法改正により、国がより積極的に関与すると鉄道廃止の方向に向かってしまうのではないか」と危惧する。
更に国交省は協議会において「協議開始後3年以内を一つの目安にする」と提言。
「観光資源を活かして何かを立ち上げたとすると、その効果がでてくるのが2~3年経ってから出てくるんじゃないか。そうすると3年以内に結論を出してしまうのは、ちょっと心配」裏を返せば「3年後には廃線できるようになっているのでは…」(自治会長)
更に、「鉄道を廃止してバスに転換するとバスの乗客が更に減ってしまい、結局バスも廃止になってしまう。地元の人の公共交通機関がなくなってしまう」と専門家は言う。
バスは鉄道に比べて1本あたりの乗車人数が少なく、本数を増やさなければ住民のニーズを満たせません。
しかし、運転手不足・コストから徐々に本数が減り、使い勝手が悪く、利用者も減る。
例えば2020年に廃止された北海道の札沼線は代替バスの利用者が7割も減っている。
代替えとなったバスの多くが公共交通を維持できていない
「自治体が地域公共交通の確保・維持・改善に取り組むべき」(専門家)
しかし君津市に「廃線となった場合どのような代替交通をどのような計画で考えていますか。見込みでも構わないので教えてください」と質問したところ「鉄道の存続。廃止を前提とした議論はしておりません」と、答えになっていない。
また「君津市地域公共交通計画」という文書の中には「上総地区についてはデマンドタクシー(きみぴょん号)が運行されていることから公共交通空白地域が解消されている」などと書かれている。これには出演者の皆さんもあきれ顔。