被災のJR米坂線「早期復旧を」 沿線住民が集会

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被災のJR米坂線「早期復旧を」 沿線住民が集会で方針を確認 朝日新聞5.20

JR米坂線の直営なぜ困難?JR東日本の“理屈”に新潟県内の沿線自治体は異論 「輸送性という観点なら他地域の鉄道もなくなる」(新潟日報)

 「地方路線がどこもなくなってしまう」「JR東日本全体の視点で考えて」-。5月29日に山形県で開かれたJR米坂線の復旧検討会議で、2022年の新潟県北豪雨の被災前と同様の直営は難しいとしたJR東日本に対し、沿線自治体からは「被災前と同じくJR東が運営すべきだ」との意見が相次いだ。両者が求める米坂線の将来像に隔たりがあることがあらわになった。

米坂線復旧議論 鉄路による存続を第一に

2024/6/2 新潟日報

 地方の沿線住民にとって鉄路は生活を支える重要なインフラであり、早急な復旧を求める声が上がるのは当然だ。

 JRは不採算を理由に直営を拒む考えに固執せず、住民に向き合い、鉄路による存続を第一に努めていかねばならない。

 2022年8月の県北豪雨で被災したJR米坂線について、復旧に向けた課題を話し合うJR東日本と沿線自治体などによる「復旧検討会議」が開かれた。

 会議でJRは、自治体が示したデータに基づき、復旧後の利用状況を試算した結果、「JR直営を前提とした復旧は難しい」との認識を示した。

 これまでの会議で自治体側は、生活面の需要や観光面の役割、利用促進策などを示していた。

 JRは、40年時点での利用状況が、これらの利用促進策を講じても19年の実績から大きな改善は見込めないとした。直営の復旧が困難な理由を「鉄道の大量輸送という特性が発揮できるとは考えにくい」と説明した。

 これに対し会議では新潟、山形両県、沿線自治体から直営を前提とした復旧を望む声が相次いだという。地元が被災前のように走ってほしいと願うのはもっともだ。

 気がかりなのは、災害をきっかけとして、廃線が決まったJRの赤字路線が多いことだ。

 22年の大雨で一部区間が被災した青森県の津軽線は、鉄路での存続を求める声があったが、最終的に先月、廃線し、バス転換する見通しとなった。

 災害後の存廃論議は、昨年の大雨で被災し全線運休が続くJR西日本の美祢線(山口県)など、過疎化が進む各地で相次いでいる。

 しかし、鉄路はネットワークとして存続することに真価がある。

 特に米坂線のように県境をまたぐ路線には、鉄道網の一端を担い、大規模災害時に道路以外の輸送ルートとしての役割もある。

 鉄路の存廃は、採算面だけで判断すべきでないだろう。

 24年3月期連結決算で、JR東などJR上場4社は、純利益が大幅に増えた。駅構内の店舗やホテルの売り上げも伸びた。

 1987年に国鉄の分割民営化によってJR各社が発足した際、国鉄の長期債務約37兆円のうち約24兆円を国が引き受けた経緯がある。それを踏まえれば、現状の利益は国民の資産が元手といえる。

 JRは、黒字事業の利益を赤字路線の復旧、維持に向けるのは、当然の責務であることを、忘れないでもらいたい。

 本県の花角英世知事と山形県の吉村美栄子知事は、米坂線を鉄道で復旧するとの認識は「原則として一致している」という。

 米坂線の早期復旧へ両県と沿線自治体の連携を一層強める必要がある。沿線以外の県民も一緒に鉄路の活性化策を考えていきたい。

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