久留里線と地域を守る会「会報」

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11・29「久留里線の廃線を許さない住民集会」に130名が結集

11月29日、久留里線の廃線を許さない住民集会が久留里線と地域を守る会が主催し、内房線と地域を守る会、外房線と地域を守る会、かずさ住民の足を守る会の共催で君津市上総公民館にて開催され、満員の130名が参加しました。
始めに三浦代表があいさつに立ち、「石井市長がJRの廃線化方針に率先して賛同するなか、総力をあげてこれを乗り越えていこう」と訴えました。
続いて共催団体が発言に立ちました。内房線の会・梅澤代表は、「久留里線の廃線化は内房線にも繋がる問題であり、全国のローカル線廃線化に拍車をかけるもの」、さらに参加した3人の君津市議会議員が紹介され、代表して四宮安彦議員から「廃線化は市として地域の衰退を許すようなもの」と発言されました。

鉄道は、病院や電気・ガスと同じ社会的な価値
経過報告のあと急遽駆けつけてくれた、ローカル線WEB体験交流会を主催されている桜井日大名誉教授からあいさつを受けました。「国とJRが一体となって廃線を進めている。全国の廃線化反対の運動をつなげて対抗しようとWEBの取り組みを始めた。久留里―亀山間が廃止されたら次は木更津―久留里だ。鉄道が廃止されて繁栄した町はない。バスもすぐに無くなる。病院や電気・ガスと同じ社会的共通資本だ。赤字は不便なダイヤ、無人駅を増やし利便性を低下させてきたJRの経営責任にある。分割・民営化のときに地方ローカル線も活性化させるといったのに放棄してきた。そういうことを無視してバス転換というが、バス転換したところは利用者が減少しており運転手もいない。鉄道をある区間を区切って分断してはいけない」と非常に勉強になる発言をしていただきました。
 広島で芸備線存続のために運動している人が発言し、「芸備線は、土日など休日は利用者が増えている」と現状を報告してくれました。

住民の意思は「廃線反対」
JR東が廃線を表明し、君津市もそれを受け入れてバス転換に向けて動いている中、参加者から廃線反対の声が次々と上がっていきました。
住民集会に向けて署名を取り組むことになり、自分の自治会のお宅120戸を一戸一戸訪問してみたら、「もう廃線が決まったのではないのですか」という人が多いのですが、「廃線されると困る」「残してほしい」と言って、殆どの人が署名に応じてくれたのです。
自治会にまとめて署名をお願いしているという人は続々と署名が集まってきたと報告していました。また、以前13の自治会でアンケート調査をやったら廃止反対は半分ぐらいだったと報告していた亀山地区の人は、今回自治会で回覧をしてもらい、手分けして530世帯の全戸を回って署名を集め、「圧倒的多数が残してほしいという意見だった」と発言していました(後の集計では亀山住民から859筆集まり、住民の73%にあたる)。
私たちは、2年前に「久留里線の廃線に反対する署名」を取り組み、6千筆弱の署名が寄せられました。この時も、おおむね署名に応じてくれました。廃線が決まっていないのに、JR東と君津市が、久留里線の久留里~上総亀山の廃線=バス転換に向けて動いている現状の中でもこれだけの署名が集まるということは、大方の人が「久留里線の存続を望んでいる」ことを示しているのではないでしょうか。これらのことから、住民の意思は「廃線反対」だということを、改めて実感しました。
まだ「廃線」は決まってはいません。諦めずに取り組んでいきましょう。

◎12月4日、6日亀山駅で「山の幸・海の幸」の即売会と署名集めを行いました

3回目の即売会を12月4日、亀山駅前で開催しました。テントには勝浦から取り寄せたアジの干物、サンマの味りん干し、農家から提供された取り立ての大根、白菜、キャベツが並びました。
駅前では「廃止反対」の署名が行われ、埼玉・浦和在住の青年が応じてくれ、「鉄道が好きで初めて亀山に来た」「廃止までどのくらいですか」「見るところがいっぱいあるのに何とかなりませんか」との問いに、幹事が丁寧に答えていました。
10時過ぎの車両には、「内房線・外房線を守る会」の紅葉クルーズ」が到着し散策に出かけました。午後から交流会が行われました。6日にも開催されました。(I) 東京、埼玉、神奈川、県内は千葉市、市原などから訪れていました。(T)

◎12月市議会傍聴記:一般質問で3名の方がJRの存廃問題について質問

三浦みちお議員:「(市長は)なぜいとも容易く、バス転換しようとしているのか」

 12月3日は、四宮議員が、JRが発表した鉄道からバス等への転換について、「久留里~上総亀山間を残す前提での交渉をJRと行った事実があるのか」を問うていきました。
 12月5日には、三浦議員と林議員が質問に立ちました。三浦議員は、久留里線の存続問題について「今回の存続問題は市長の立ち位置の甘さから発生したのではないか」とした上で「なぜいとも容易く、バス転換しようとしているのか」と問うていきました。
林議員は、観光の取り組みについての質問で、「久留里線は観光資源の武器になるのではないのか」と言った切り口で質問されました。
 市長はJR問題や「自民党・維新の会連立政権への認識及び対応」への市長の政治姿勢について、第1質問にすら答弁をせず、「担当職員から答弁します」という状況でした。
 今回の一般質問の中で君津市の考え方が改めてわかったことは、次の通りです。

市長:「久留里線は欠くことができない」→「存廃の判断はJR東が決めるもの」

 県主催の「交通検討会議」の段階までは、「久留里線は欠くことのできない交通機関である」として、千葉県やJR東に対して「存続を求める発言をしてきた」(このような発言をしてきたこと自体、議事録も公開せず疑わしいのですが)と答弁していました。一方で「運行主体はあくまでもJR東で、JR東が方向性を示さない中で、本市としては態度を明確にすることは困難であった」と発言。「R6年11月にJR東が『バス転換へのモードチェンジ』を決めたと表明してからは、存廃についての判断は鉄道事業者であるJR東が主体となって行うものであり、市として決められるものではない」として「本市としては移動手段に空白が生じないように、より利便性の高い持続可能な公共交通の確保(鉄道からバス転換)に向けて取り組んでまいります」という答弁でした。

 三浦議員の主張は、①赤字を廃止理由にするのは合理性がない。鉄道事業法により、公共交通を担っている事業者が自分たちの都合で廃止はできない。②数年前に赤字路線の発表がされ、最も赤字の大きな久留里線の久留里~上総亀山間が狙われた。その次は群馬県の吾妻線が狙われている(実際は同時並行に)。まずは小さく狙う攻撃で、政治的なやり方だ。③市、議会の立場は存続を前提にして取り組むことだ。でなければ、住民の足を奪うことを君津市が率先してやることになる。④利便性を高めるというが、バス転換しても利便性は向上しない。バスになれば久留里駅で必ず乗り換えることになる。これのどこが利便性が高まるというのか。といった発言でした。(T)

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