8月27日、「なくすな!久留里線8/27講演集会」が、久留里線と地域を守る会、内房線と地域を守る会、外房線と地域を守る会の3会合同の主催で開かれ、沿線住民を中心に140名を超える方が集まりました。
講演は千葉商科大学の伊藤康教授が「ローカル鉄道の価値」をテーマに行いました。質疑応答で多くの地域住民の方から意見が出され、「JRの説明は廃線ありきとしか思えない」などの声があがりました。
多くの住民からの切実な声
集会は、久留里線と地域を守る会の都築事務局長の司会で進められました。
主催者あいさつの最初に、久留里線と地域を守る会の三浦代表が、「会の結成から1ヶ月ほどの間に5691筆の廃線反対署名が集まり5月17日にJR千葉支社に提出したこと、住民説明会で「廃線は困る」「昼間に5時間半も列車がないのは本当に不便。利用したくてもできない」など多くの住民からの切実な声を報告し、「今後も取り組みを強めていく」と語りました。
利益至上主義はダメ
次に、内房線と地域を守る会の梅澤代表は、特急廃止・直通列車削減の問題や、内房線・外房線へのワンマン列車導入による安全性や通勤通学時の混雑の問題を訴えました。
そして、「山の中の家にも電線は引かれる。移動の足として必要としている人がいるならば、社会インフラとして維持すべき」「国鉄からJRになったといっても利益至上主義で良いわけがありません。地域の歴史や文化、経済、住む人の生活をないがしろにすることには断じて反対します」と訴えました。
廃線化反対に地域をあげて取り組む
外房線と地域を守る会の早川会長は、ワンマン導入の3日後に太東駅で乗客がドアに挟まれ骨折するという重大事故が起こったことについて、JRがホームの段差やワンマン導入の責任を認めないこと、段差を解消しないことは放置できないと訴えました。
また、「久留里線を『赤字が酷い』と廃線に持ち込んだ次は外房線、内房線の一部を同じように廃線に持ち込むのだと思う」「多くの赤字線が廃止になれば地域に住み続けることが困難になる。JRの廃線化に対して地域をあげて取り組む」と語りました。
久留里線の価値再考
千葉商科大学の伊藤教授の講演では、「鉄道の役割と価値について、地域住民の足となり、普段利用しなくても必要な時に利用できる安心感、将来世代に良好な移動環境、生活環境を残せるという安心感、地域のイメージ向上」さらに二酸化炭素などの排出抑制や交通事故の減少など「鉄道の存在価値」を明らかにしました。そして廃止された場合は人口流失などに関する研究が報告さました。
会場からは多くの質問・意見が出され、最初に、上総住民の足を守る会の安田代表が内房、外房、久留里の3会と共に闘うとの発言がありました。
集会は「講演で、久留里線の地域に果たした役割を改めて確信した。地域の宝である久留里線を存続させる運動に取り組むことを表明します」とする「なくすな!久留里線8・27集会」アピールを採択して、終了しました。